「そんなことも知らんと?」
福岡でビジネスするなら、これ読まにゃ始まらん
福岡ビジネス9つの大原則-小冊子作成のきっかけ
「福岡という処は、いろいろやりづらいところだな。
こりゃ来るところ間違えたかな・・・」
これが最初に感じた福岡の印象でした。私は1997年10月に公認会計士試験に合格し、大手監査法人の福岡事務所へ就職のためにやってきました。
福岡は当時から新たなアジアの玄関口の都市になる、成長性がある都市、住みやすい街などと言われていました。私はそういう話を聞いていたので、活気ある洗練された都会のイメージで来ましたが、現実はちょっと違っていました。
まず事務所の上司や先輩が個性的で負けん気が強く、せっかちで気が短い。使う言葉も博多弁とか筑後弁、筑豊弁なので、指導を受けている時などは、まぁキツく聞こえます。本人は普通に話しているつもりでも、正直怖いです。今なら間違いなくパワハラと呼ばれていたでしょう。そのうえ皆、酒が好きで夜遅くまで飲むのが福岡人です。もちろん人間関係作りは、ノミニケーションから。当時はアルハラなんて言葉もありませんでしたから、飲めないなんてなかなか言えません。飲めることはマストです(福岡ではこれ重要。たぶんテストに出ます)。
また、人だけでなく街も個性的です。食、芸能、伝統、買い物、働き方、住む場所、遊ぶ場所・・・県外とは違う福岡的な何かがあります。食でいえば、とにかく飲食店が多い。福岡で飲食事業をやるのは相当な実力がないと難しいでしょう。
また、ある意味住む場所も選ばないといけません。福岡市はコンパクトシティと呼ばれるように、狭い範囲にぎゅっと固まった都市です。それは便利である反面、住宅街の隣に飲み屋街があったりもするので、住んでみたら夜騒がしいなど、想定外な事に出会ったりします。この辺は他県とは違う土地勘が必要だったりします。
そんな私も福岡に住み始めて、25年以上経過しました。四半世紀以上をこの福岡で過ごしてきましたので、福岡を理解し、生きる知恵や流儀というのもだいぶ覚えたような気がします。そういう意味では、そろそろ福岡を語ってもいいのかもしれないと思うようになりました。福岡での事業に興味がある経営者、もともと福岡で事業を行っているがイマイチ地域事情に詳しくない従業員さんや取引先といった、昔の私のように「等身大の福岡」がわからない方向けに、福岡のビジネスを理解できる本を作ってみることにしました。