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経営強化したいときは、この損益計算書の指標を読めばいい

経営をもっと良くしたいと経営者ならばいつも考えていると思います。

でも、どこから手をつければいいのか?

その見つけ方として、損益計算書(P/L)の指標を計算、分析からのアプローチをご紹介します。



まず経営改善には、P/Lを読めるようになることですが、これは前回の図にして読むとわかりやすいというお話を書きましたので、そちらを参照してください。

 ↓


今回は、この図にしたP/Lに基づいて指標を紹介していきましょう。


①粗利率

まず、経営に絶対必要なのは、粗利です。

この粗利から経費を引いた残りが利益です。

そのため、経営においては粗利が十分確保できているか、ということが重要ですから、しっかり見ておかなければなりません。


この図の場合は、粗利M/売上P 70/100=70%という事ですね。


この粗利率が低いか高いかというのを、自身の経営において同業他社などと比較して、考えてみましょう。

そして、この粗利率が低いとなれば、どうすれば高くなるのかを考えます。

利益の源は売上ではなく粗利ですから、しっかり検討しましょう。


②固定費比率

粗利率を計算したら、次は粗利がどの程度固定費として、使用されているのかを見なければなりません。

この場合、固定費が粗利に占める割合を計算して見える化するとイメージが湧きやすくなります。


上の図の場合、固定費F/粗利M 60/70=86%くらいという事ですね。


この固定費の比率は思っている数字よりも多ければ、どうしたらいいのかー固定費を減らすのか、粗利額を増やすようにするのか、という事を考えねばなりません。


③労働生産性(労働分配率)

固定費の分析を行う場合に重要なのが、人件費です。

特に現代の経営は、第3次産業が中心ですから人の知識や活動が、利益を生む源泉となっています。そのため、経営においては人がどのような効率性で利益を生んでいるかという、労働生産性の指標をみておかなければなりません。


労働生産性を見る指標はいくつかありますが、一番わかりやすいのは、労働分配率でしょう。

これは粗利に対して、人件費がどのくらいの割合で、支払われているかという事を分析する指標です。

この割合が高いと、人件費を使って稼ぐ粗利が、非常に効率悪く稼いでいるということになります。

計算は、人件費/粗利Mです。仮に人件費35とした場合、35/70=50%ということになります。

この数値を基礎として同業他社との比較や、自分が考える人件費の支払いについての適正について検討し、労働生産性の改善を図っていきます。


④損益余裕率

最後に、粗利のうち、どのくらいの割合で経常利益になっているか、ということを分析するのが、損益余裕率です。

上図の場合、経常利益G /粗利M 10/70=14%くらいですね。

これは、固定費比率との相関になる指数なので、固定費比率がわかれば、あえて計算しなくてもよさそうな指標ですが、あえて書いています。

というのも、この数値の読み方としては、どのくらい効率的に粗利が経常利益になっているかという、イメージを持ちやすくするためです。

例えば粗利のうち、14%が経常利益であるというのは、逆にいえば14%値引きしてしまうと利益が消えてしまうということです。

なので、値引きを簡単に大きくできないなど直感的に数値でわかるようになります。


また、どれだけ固定経費を使って、粗利から経常利益を生んでいるのかという指標ですから、経営効率性の指標とも見れます。

この指標が、例えば同業他社より低いということは、それだけ経営が劣っているということになります。


まとめ

以上、損益計算書を読んで分析するにあたっての指標をご紹介しました。

粗利率、固定費比率、労働分配率、損益余裕率をご自身で計算してみて、自社がどのくらいの状況にあるかを分析してみてください。

なお、同業他社のデータなどはインターネットで探してみると、中小企業庁の統計データhttps://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/kihon/index.htmであったり、業界団体が集計していたりしますので、一度探してみてください。


もし、よく自分ではわからないというときは、当社にご相談いただけますとデータ提供と分析解説をいたします。


他にも、経営を分析し、また目標とすべき指標などもありますので、機会があればまた書きますね。









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