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利益の意味とはなにか?

更新日:2022年9月5日

経営者の皆さんは、会社で利益を出すために、日夜努力されていると思います。

しかし何故、企業は利益を出し続けなければならないのか、ということを考えたりすることはありませんか?


「そりゃ、利益出さないと潰れちまうからだよ」


という、皆様の反応は正しいのですが、経営において利益は企業存続だけの意味でしょうか?、他には意味を持っていないのでしょうか?


そこで、今回は経営コンサルタントの巨星、ドラッカー先生の言葉から、利益についてもう一歩踏み込んで解説してみたいと思います。



ドラッカー先生は、「現代の経営」で利益の3つの役割について述べています(ダイヤモンド社 現代の経営上P104)。


  1. 「利益は事業活動の有効性と健全性を測定する。まさに利益は事業にとっての究極の判定基準である」

  2. 「利益は陳腐化、更新、リスク、不確実性をカバーする」

  3. 「利益は、直接的には社内留保による自己金融の道を開き、間接的には事業に適した形で外部資金の導入要因となることによって、事業のイノベーションと拡大に必要な資金の調達を確実にする」


ドラッカー先生らしい、小難しい言い方ですね。

これではわかりにくいので、少し私なりの解説を加えてみたいと思います。


まず、「利益は事業活動の有効性と健全性を測定する。まさに利益は事業にとっての究極の判定基準である」とは、赤字なのか利益が出ているか、また出ているならばどのくらい出ているかは、その経営システムの善し悪しを表すという事です。


経営は、利益を生みだす経営システムというプラントを構築することです。この経営システムは、下図のような仕組で構築されています。



赤字が出る商売というのは、結局、この経営システムの構築が駄目でうまくいかないわけです。

逆に、黒字がでて、それも同業他社よりもでるというのは、経営システムの構築がうまくいっているということの現れなのです。


まさに、利益は事業構造の良否の判断基準という意味ですね。


次に、「利益は陳腐化、更新、リスク、不確実性をカバーする」とは、一つは利益は未来への投資であるということと、利益が出ていればなにか不測の事態が起きても、なんとか耐えられるとう事です。


利益を出すことによって、商品の開発、人材育成、新規設備投資にお金を使えるようになります。このことが陳腐化などに対抗できる力となります。

逆に言えば、利益をだして経営資産屋人材の更新をしていかないと、ジリ貧になって行くということでもあります。


また事業を行っていると、何かしら想定していない事象というものが発生します。

例えば、自然災害です。

地震や洪水が起きて、自社の財産に損害が発生したときに、利益を出して蓄えておかないと、事業再建する事もできません。

また経営環境が変化し、自社の商品が売れない事が出てきたり、破壊的イノベーションが発生し、突然売れなくなってしまったときの対処として、利益は必要です。

これまで蓄えた利益で事業転換をしなければ、会社は立ちゆきません。

例としては、炭鉱会社のエネルギー革命による事業転換などです。


最後に、「利益は、直接的には社内留保による自己金融の道を開き、間接的には事業に適した形で外部資金の導入要因となることによって、事業のイノベーションと拡大に必要な資金の調達を確実にする」ですが、これは自己資本をあつくすることで、資金繰りに余裕をもたせ、また利益をだしておかないと金融機関からの借入や第三者増資もしてもらえない、ということです。


利益を出すということは、自己資金を確保することでもあり、また利益が出ていれば外部からもお金を借りることも容易になります。

いざという時に、お金がないと何もできません。

その意味でも、利益とは直接的、間接的に資金調達に関わるという事です。


まとめ

結局のところ利益とは、①事業構造の良し悪しを判断する基準、②将来のための投資資金、リスクへの備え、③自己資本による資金蓄積と外部からの資金調達のためのもの、という事が言えますね。


また、今度利益について書いてみますね。


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