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固定費の見直し法と注意しておくポイント

前回より、損益計算書を図にして経営改善を行うことを説明してきましたが、今回は具体的な見直し方法を考えてみました。



まず固定費の定義ですが、これは売上高の変動にかかわらず一定である経費というものです。例えば、人件費、家賃、保険料、サブスクリプションのウェブサービスといった、売上があろうがなかろうが支出するものがあたります。


さて、経営者が利益を増大させる、または赤字を解消させるためには、まず固定費を見直す事を最初に考えることと思います。


しかし、固定費を見直すといってもどこから手をつければよいのか、わからないですよね。

そういう時は、まず固定費を次のように3つに区分して考えると整理がつきやすいです。


①販売経費

これは、粗利をつくる活動に関わる経費です。例えば営業マンの人件費、交通費、交際費、販促費、広告宣伝費などはここに当たるでしょう。


②間接経費

これは、販売活動や企業活動を支える経費です。社内の営業事務、総務経理に人件費、士業などの専門家への支払手数料、事務消耗品費などがここに入ります。


③共通経費

これは、事務所家賃、水道光熱費、電話などの通信費、利息等の分けにくい経費や、上記①、②に当てはまらない経費がここに当たります。


経費の見直し方法と注意点


まず、③共通経費からみます。

ここは粗利を生む活動にはあまり影響がないので、比較的簡単に削減する項目を見つけることができます。しかしながら、価格弾力性があまりない分野でもありますので、その余地は小さいかも知れません。


次に、①販売経費、②間接経費の数字を見ます。


この時に、大事なことは①と②は会社の粗利づくりに関わる経費だということです。


粗利を生むには、何かしらの経費を使わなければなりません。

そのため、闇雲に経費を一律○%削減とやってしまうと、最初こそは利益が出ますが、その後に肝心の売上が減少し、更に赤字が拡大するということにもなりかねません。


また、事務活動は利益を生まないからという理由で、極端に②間接経費を絞りすぎてしまうと、営業事務などが滞り、滞留債権の発生や請求ミス、資金繰りのための資金管理など、会社全体が混乱してしまい、結果的に経営効率が落ちて経費削減以上のマイナスが出てしまうこともあります。


そのため、この①②の経費削減には、しっかりした分析に基づいて、削減することが必要です。



販売経費と間接経費の合理的な配分


ここで、①販売経費と②間接経費を細かく分析して行くときに、販売経費と間接経費、どちらにも偏り過ぎてもいけません。何かしらの目安があると便利です。


私の経験上から言わせていただくと、①販売経費:②間接経費=3:1 くらいがちょうどいいと思います。

総経費から③共通経費を引いた金額に、①販売経費75%、②間接経費25%をかけ算したくらいの金額がバランスがいいと思います。

(ちなみに社長塾講座の教材に使用している、ランチェスター経営の竹田陽一先生の解説では、プロペラの面積比が推進力を作る部分が75%、プロペラの効率を高めることにサポートする側に25%配分することを参考に、説明されていました)


ただ、業歴により配分も微調整があるとは思います。

例えば、創業間もないときは経営管理する事が少ないので、間接経費はそこまで必要なく、ウェイトが15%くらいでも回ると思います。

また業歴が長く、社員もお客が多いような会社は、間接経費に30%くらい必要かも知れません。


まとめ

このように、固定費の見直しでも粗利作りに関わる所には、慎重に経費削減を行わないと、大変な事になりかねません。

きちんと経費を区分して、しっかり検討しましょう。



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