コロナ流行下でも業績回復が早い会社の共通点(小規模企業白書から)
更新日:2022年8月20日
新型コロナウイルス感染拡大も2020年の1月あたりから始まって、もう2年半以上経ちました。新型コロナウイルス感染拡大がなかなか収らず、政府及び経済界はコロナと共存した経済回復を模索しています。
私も日々活動していて、Withコロナでやっていくしかないのだなと思い、仕事をしております。
ただ私が仕事をしていて、新型コロナウイルス感染拡大下の2年半で、悪化した業績を早期に回復させている会社と、そうでない会社が出てきているなと感じるようになりました。
そう思って、原因を調べている統計がないか検索していると、面白いものが出てきました。それは2021年に報告された「小規模企業白書」、「経営環境の変化に強い小規模事業者の特徴」と言うレポートです。
このレポートを結論をまとめたのが、以下の図です。
(小規模企業白書PⅡ-90より)
この白書を読むと、
①まず業績回復が早かった企業は、日頃から強み・課題の把握分析、資金繰り状況などの財務の把握分析ができている企業でした。
自社の強みや課題を理解し、その強みを活かした経営を行いながら、経営環境の変化により、その強みや課題に変化が生じているのではないか、ということを検討し、また方針変更が必要な場合はカネがいくら必要で、現在残高はどの程度あるのかと言うことがわかっていたので、早めに対応ができていたのだと分析できます。
②次に、常連・上顧客・地域との関係維持をパンデミック発生前から強くしていたことで、経営環境の変化の中でも、継続して支持を得られた事でした。
調査では、顧客の優先順位や関係性をアンケートで聞いているのですが、常連客・上顧客対策を重視した事業者ほど、パンデミック発生後も関係性が十分維持できており、かつ売上回復が早い傾向が出ています。
またBtoC企業においては、下の図のように、
(小規模企業白書PⅡ-108より)
常連客との関係性維持できている事業者と、維持できていな事業者と比べると、「店頭での積極的な声がけやコミュニケーションの徹底」や「SNSでの情報発信」、「対面でのイベントの実施」など、日頃より双方向でのコミュニケーションを重視する者の割合が高いことが分かります。
特に、SNSの割合は店頭でのコミュニケーションと変わらないくらいですね。
いかにBtoC企業において、SNSが重要かと言うことがわかります。
③あわせて、経営環境が変化する中でも、自社のファンから支持が得られる事が、売上の早期回復につながっています。
下図は、ブランドが顧客維持につながっているかの結果です。
(小規模企業白書PⅡ-127より)
やはりブランディングは重要と言うことですね。
ブランディングについては、ECサイトなどの販売でも影響があったようです。
(小規模企業白書PⅡ-128より)
パンデミック下での変化に、ネットショッピングの浸透がありますが、ブランディングできていた企業は、この変化を間違いなくキャッチアップできていたということですね。
(小規模企業白書PⅡ-129より)
特にブランディングはBtoCほど差がでたようですね。
では、ここで簡単に内容のまとめです。
早期に業績を回復させた企業は、
①強み、課題、財務を把握分析できていたこと
②常連客や上得意先を大事にする顧客維持戦略をしっかりやっていたということ。
③ブランドづくりをして、固定ファンをしっかりと多く持っていたこと
ということですね。
では、また経営、財務によい情報を書きますね。
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