【書籍紹介】君は本当のブルーオーシャンを見たことはあるか?「ブルーオーシャン戦略」
良く聞くブルーオーシャン
ビジネスの話をしたりしていると、よくブルーオーシャンという言葉が使われることがあります。
しかし、私がこの言葉を聞いたとき、必ず聞くことがあります。
それは、「君はW・チャン・キム、レネ・モボルニュが書いたブルーオーシャン戦略を読んだことがあるかね?」というものです。
このブルーオーシャンという言葉を最初に著したのは、このW・チャン・キム他が書いたブルーオーシャン戦略ではないかと思っています。
そして、この言葉ほど著者達が言いたかったことから遊離して、使われているものは無いかと想います。
そもそもブルーオーシャン戦略でのブルーオーシャンは、既存市場のレッドオーシャンに対する対義語として使われています。
著者の戦略論の解説を読んでいくと、ブルーオーシャンはレッドオーシャンのなかから、戦略キャンバスなどの分析ツールを使い、市場の隙を見つけ出して創出するものというのが、正しい理解ではないかと私は考えています。
中途半端にブルーオーシャンという言葉を使う人は、ここが理解できておらず「ブルーオーシャンです」と言っていながら、思いつきも同然な浅く、かつ独善的な思考による戦略であるために、顧客が商品価値を感じないーすなわち釣れる魚がいない「デッドオーシャン(死海)」に突っ込んでいることも多いのではないでしょうか。
なので、ブルーオーシャンという言葉を使いたい人は、まずは本家本元の「ブルーオーシャン戦略」を読んでいただきたいですね。
ブルーオーシャン戦略は、バリューイノベーションの実現である
この本では、ブルーオーシャン戦略を策定するための、分析フレームワークである戦略キャンバス、アクションマトリクス、6つのパス、ブルーオーシャン・アイディア・インデックス(BIO)が、紹介・解説されています。
これらのフレームワークを使い、既存の市場に投入するサービスや商品について、再定義を行い、既存の提供価値を再設計し、そこから競争のない新たな市場の発見をするという戦略-バリューイノベーションを実現すること、これがブルーオーシャン戦略なのです。
「競争もなにもない、未知の市場をいきなり発見する」というのは、ブルーオーシャン戦略ではないのですね。
特にこのバリューイノベーションの概念は単純ですが、競争で無理する経営から離れるための、良い指針になるものだとおもいます。
バリューイノベーションの概念は、買い手にとっての価値の向上と、それに対するコストの減少を通じ、競争のない未知の市場空間を開拓する事によって、達成できることです。
このバリューイノベーションの達成するという概念が、ブルーオーシャン戦略の要になるところです。
レッドオーシャンでの差別化は、非常にコストをかけていく戦いになります。
例えば値段で差別化するために、大量生産する設備投資をしたり、広告宣伝費をかけてブランド力を高めて営業力を差別化するなどしていくわけです。
これでは、ライバル全員が死なないと終わらないデスマッチとなります。
その点、このバリューイノベーションの実現するポジションを見つければ、デスマッチ化した差別化とは離れ、悠々として業績をのばしていくことができるわけです。
ブルーオーシャンはバリューイノベーションの実現ができるところにあるというわけです。
競争に苦しむ会社ほど役立つ本です
私は新規創業の会社や、既存事業の競争にあえぐ中小企業には、ブルーオーシャン戦略は良い示唆を与える本だと想います。
既存事業で非常に苦しい思いをしている経営者の方や、新しく事業を興したい方には、是非読んでいただきたい本ですね。そして本当のブルーオーシャンを発見していただきたいと思っています。
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