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【書籍紹介】社員が自分で考える組織になるには『全員経営』

この本は2015年に購入した本で、私の事務所が開業して7年目の時でした。

当時は社員3人くらいの事務所で、売上高も現在の半分くらいでした。


私としては、まだ40歳前半でしたので、どうすればさらに成長できるのかを考え、その際に出てきた考えが、組織として価値を生みだし発展させることでした。

これまでは私一人の能力で価値を生み、事務所を発展させてきたという面が大きくありました。

ここから、組織として価値を生みだすようにしていかねばならないと思ったのです。



まさに「全員経営」をする組織に成長させるという目標を決めたのです。


そのときに目にとまったのが、本書でした。


本書は野中郁次郎氏の提唱した、組織による知識創造理論としてのSECIモデルや、フロシネス(賢慮)といった経営に必要なリーダーシップ概念、ミドルアップダウン等のフレームワークを、ケーススタディで当てはめて論じていく構成になっています。

その意味では、野中氏の理論をよく読んできた読者であれば、実践としてどうすれば良いのかという勉強になりますし、これまで理論に触れてこなかった方にとっては、ケーススタディにより解説される理論を知る入り口なる本でしょう。


書籍紹介のために、今回この本を読み返して思ったのですが、いかに自分が表面だけ理論をわかっていただけだったなとか思います。

それこそ、本書でいう「修羅場の経験」を踏んで、意味を良く理解できるようになった部分があります。

論語読みの論語知らずという言葉がありますが、自分自身もそうなっていたのかも知れません。


特に「自己組織化には目標と物語に共感する場を作る」という意味は、本当に理解はできていなかったと思います。


この解説は人工衛星のはやぶさのケーススタディで出てきます。



公式、非公式に設定される場というものは、自然にできあがるのではなく、そのような意識をリーダーが持っていなければ、作られないものですね。

そしてそこに「共感」というものがなければ、人は自己組織化ー私の言葉いえば自分事として仕事を考えるというのは、なされないものです。

公認会計士という仕事をしていると数字や理論中心となり、この辺の人情や感情の機微というところに疎くなります。


人は気持ちで動くものですね。


結局、全員経営とはどうすればできるかというは、経営を共感を産む物語にすることなのかも知れません。

そして、リーダーはフロシネスを持ったリーダーシップを発揮して、ストーリーではなくナラティブに物語を語り、場を作り出し実現するのが必要なのでしょう。


野中郁次郎氏の著作は、非常に示唆を与えてくれます。

特に最近、事務所経営をますます組織で行って、発展させていかなければならないと思う事が増えたので、そう思うのかも知れません。





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