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プロフェッショナルマネージャー 58四半期連続増益の男【書籍紹介】



この本について


この本は、インターナショナル・テレフォン・アンド・テレグラフ・カンパニー(ITT)の最高経営責任者であった、ハロルド・ジェニーン氏が自身の経営論を書いたものです。

ハロルド・ジェニーン氏は、成熟した老舗企業となり低成長に陥っていたITTのトップに就任してから、58四半期連続で増益を達成した人物です。

日本では1985年に早川書房から翻訳本が初版されました。

この初版本を、当時中小企業であった小郡商事を経営をする柳井正氏が、山口県宇部市の書店で見て出会い、内容に刺激を受け経営発展の原点となった本としているものです。


プレジデント社から再販されたのは2004年でしたが、その後も売れ続け、2021年9月の版では38刷というロングセラーとなっているものです。


この本を読むきっかけ



2004年当時、私が勤務していた監査法人の公認会計士の間で、よく読まれていたような気がします。

しかし、私が読んだのはつい最近の2021年でした。

この本を読むきっかけは、日経ビジネスの柳井正氏へのインタビューだったと思います。

柳井氏が経営に影響を大きく受けた本であると語っていたことと、柳井氏が書いた「経営者になるためのノート」という本を、ちょうど読んでいたところで、この本の中にも出てくるので、ちょっと読んでみるかなという感じで読み始めました。

しかし、読んでみると思った以上に経営において大事なことが書いてあるなと、さらには自身の経営に置き直して反省することが多い、非常に参考になるものでした。


この本で特に印象に残ったところ



この本の冒頭、「経営の秘訣」という章で三行の経営論としてまず書いてあるのが、


本を読むときははじめから終わりへと読む。

ビジネスの経営はそれとは逆だ。

終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りの事をするのだ。


というものです。

普段、経営をしていると目標もなく、またあったとしても漠然としていて、結果は成り行きに任せているというのが、経営者の実情ではないでしょうか。

そこに冒頭、一発目に「終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りの事をするのだ。」という、この本の主題とも言うべきものが、出てきます。

ゴールを決めて、そこへの道程をどうするのかを決めるというのが、まず成功の秘訣なのですね。

そして、到達するためにできる限りのことをするという、この気魄が必要と言うことなのでしょう。


また「経営者の条件」という章では、


経営者は経営しなくてはならぬ


と書いています。

この”経営しなくてはならぬ”とは、それを”やり遂げなければならぬ”ということだと説明しています。

これも大事なことですよね。凡人はまぁまぁのところで「まぁここまで来たから、まぁいいか」と完遂することをしません。

ジェニーン氏は、なんとしても目標を達成させたという成果を出すことが、経営だと言っているわけですね。

ここを言われると、私は経営していないかも知れません(笑)


ここに関連すると思われる記述がもう一つあって、


よい経営の基本的要素は、情緒的な態度である


と言っているんですね。

これはわかりにくい所ですが、願望と熱意をもって経営しているのかという事でしょうね。


したり顔で「このくらいでいいんですよ、これがスマートなやり方ですよ」と適当なところ妥協して、緩い経営してはいないかということでしょう。

なんとしても目標達成させる、そのために泥まみれになりながらも前進するという「ガッツ」がなければいけない。

ぬるま湯組織が業績を落として潰れていくことを揶揄した「ゆでガエル現象」になっているのではないか、それでは経営はいけないのではないかということを言っているのでしょう。


私もオンライン社長塾などで、経営で目標を達成することに大事なことは、まず願望と熱意、向上心と言っています。

これが無ければ、周りも動かないですよね。


まとめ


この本は、もっと早く出会いたかった本でした。

経営の考え方を、しっかりと教えてくれるものです。

経営はゴールから考えてその道程を導き、目標はなんとしても達成させる-それが経営なのですね。

そして、大事なことは願望、熱意という情緒的な態度であるということでしょう。


経営とはいかなるものであるべきか、経営者はどのように考えて行動すべきか、ということを知るには、とても指針になる本です。


経営に悩む社長さんは是非、一度お読みいただくとよいと思います。







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